『張昭と言い争う in 蒼天航路』(『蒼天航路』 24巻より)
     ※ネタバレ有りです。読む時は、注意して下さい。


管理人「今回は、漫画『蒼天航路』24巻の中の場面を取り上げさせて頂きます♪」

孫権 「後世でいう…いわゆる赤壁の戦いの緒戦で、周瑜率いる呉軍が魏軍に勝利した後、

    魏も呉も互いに守りを固めて対峙し、戦線は膠着状態にあった」

管理人「その時期には、孫権さんは柴桑に居たのですよね」

孫権 「そうだな。今回取り上げる場面も、蒼天の俺が柴桑の別邸にいて、そこに蒼天張昭が訪ねてくる

    というところから始まっている」

管理人「張昭さんは、「訪ねて来た」というより「どなり込んで来た」ように見えるのですが…。

     だって張昭さん、邸にやって来るなり孫権さんに『参議もされず、何をなさっておいでです!?』

     どなっていらっしゃいますから。張昭さん、かなりご立腹の様です」

孫権 「張昭がやって来た時、蒼天の俺が何をやっていたかというと、蒼天の俺といつも一緒にいる虎が、

     涙目になって大口を開けて震えていてな、蒼天の俺は、その口の中を覗きこんでいた…」

管理人「そんな光景を見たら、張昭さんでなくても「何をなさっておいでです!?」と、言いたくなりそうです^^;」

孫権 「蒼天の俺が、何故そんな行動を取っていたかというと…蒼天の俺が、虎の口中を

     覗きこみながら『どうやら、朝にいっしょに獲(と)って喰った、熊の骨がな』と言っているところから

     虎ののどに引っ掛かった熊の骨を、取ってやろうとしていたらしい」

管理人「のどに骨が…それで虎さんは、涙目になって震えているという苦しそうな様子をしていたのですね」

孫権 「涙目になって、本当に痛そうな顔をしている虎か。随分と表情豊かな虎だな…」

管理人「虎さんののどから骨を取ってあげている孫権さんに、張昭さんは

     『また狩りですとぉ!?』『この大事の最中に、まったく殿は御身をいかにお考えか!?』

     と、ますます強くお説教されていらっしゃいます」

孫権 「また狩りですとぉ!?って説教する前に、狩りの内容にツッコミを入れてもらたいもんだ…。

     まあ、虎と一緒に熊を狩って食うなんて、蒼天の俺にとっては珍しくも無く、ツッコミを入れるまでも

     無い行動なのだろうがな」

管理人「子供の頃から虎を従わせてきた孫権さんですものね。虎に、獲物を追いかけさせて狩る

     事なんて、お手のものなんじゃないですか?」

孫権 「いや、追いかけさせるまでも無いと思うが?詳しくは、「動物になつかれる」にも書いてあるが、

    蒼天の俺は、そこにいるだけで動物たちが自然と、慕って集まってくる性質を持っているんだよな。

    だから、熊が蒼天の俺を慕って寄ってきたところを…」

管理人「…虎に襲わせるんですか?う〜ん、確かにそのような狩りの仕方も考えられますが、

     自分を慕って寄って来てくれた動物に対して、あまりに酷い仕打ちなのではないでしょうか^^;」

孫権 「そもそも、あれだけ動物に慕われている蒼天の俺が狩りをすること自体、俺は不思議だ。

     しかし、虎と一緒に熊を狩っただけではなく、さらに「喰った」とはなあ。

     虎はそのまま熊にかじりつけば良いが、蒼天の俺はどうやって熊肉を食べたのだろうな?」

管理人「確かに蒼天孫権さんは、熊の肉を持ちかえって料理させて食べるというイメージでは

     ありませんよね。狩ったその場で、虎さんと一緒に食べていそうですから…」

孫権 「まさか生で喰うわけにもいくまいから、その辺で火をおこして、焼いて喰ったのかな?

     まあ、これらの事は俺達の勝手な想像にすぎないがな」

管理人「本筋とは関係ないのに、蒼天孫権さんの狩りはツッコミ所が満載で、ついつい長々と取り上げて

     しまいましたね」

孫権 「張昭は狩りの内容にはツッコミも入れず、蒼天の俺に向かって小言を言うだけだった。

     小言を言われた蒼天の俺は、虎の口の奥に手を差し入れ、のどにひっかかっている熊の骨を

     取ってやりながら『口を開けば、小言か諫言』『張昭。その小煩(こうるさ)さは、なんとかならんのかぁ』

     などと顔をしかめている。張昭の口うるささには、蒼天の俺も辟易しているようだ。

     ああ、ちなみに、蒼天の俺が虎ののどから取ってやった骨は結構長く、それに先が尖がっていた。

     虎が痛がるのも無理はないような骨だな」

管理人「孫権さんの言葉に対して、張昭さんは

     『ご意思に添わぬ献言が耳障りと仰せならば、ただ孫氏繁栄に天命を尽くしておるこの頸(くび)を

     刎(は)ね捨てられるが、およろしい!世の暗君・暴君のごとくにッ!!と、思いっきり

     言い返しています。さすがは呉のご意見番の張昭さんです!負けていませんね♪」

孫権 「蒼天の俺も『もう、その口上は耳にタコじゃわ』と、虎ののどから取ってやった骨をかじりつつ

    うんざりしたように言い返している。こちらも負けてはいないな!」

管理人「張昭さんは、孫権さんの虎さんまで「しッ、しッ」と手を振って、追い払っています。

     虎さんは「ガルル…」と、うなって牙まで見せていますが、張昭さんは全然怖がっていません。

     この虎さんは孫権さんと仲が良いですから、虎といえども人を襲う心配は無さそうですが、

     それでも虎は虎なのですから。少しくらい怖がっても良さそうなのに…」

孫権 「虎よりも、張昭の方が強そうだものな」

管理人「この辺りに、『張昭が齢81で死去するまでの、この後28年間、彼らふたりは何かにつけ

     ぶつかりあう。あるときは政(まつりごと)の重要案件で、あるときは孫権の品行のことで』

     と説明文がつけられていますよ」

孫権 「張昭とのぶつかり合い…あんなことや、こんなことのことか?」

管理人「説明文にも、『時として、刀をつかみ火花を散らすような二人の押し問答は、やがて屋敷の門を

     土で固め合ったり、それに火を放ったりと、およそ互いの齢と格を疑いたくなるような意地の

     張り合いに展開したりもする』と、しっかりと書かれていますね。

     それに『正史に残る、孫権とその後見人・張昭との間柄は笑劇さながらに楽しく読める』

     『これは中原とは違う、江南の人の色合いなのかもしれない』とも書かれています」

孫権 「笑劇さながら?そんなに笑えるか?」

管理人「少なくとも、私は大笑いしましたが」

孫権 「…まあ、楽しく読めるということは、良いことかも知れんな」

管理人「まあ、いきなりやって来た張昭さんに、孫権さんは『で、何用じゃ』と、先ほど虎ののどから取ってあげた

     熊の骨をバリボリと、かじりながら訪ねます。随分と不機嫌そうな様子で」

孫権 「虎のどに入っていた熊の骨をかじるのは、衛生的に問題有りだぞ」

管理人「張昭さんは『先陣よりの風にのって、聞き捨てならぬ声が届きましてな』と、話を伝えようとします。

     孫権さんは『なんじゃ、噂ごときで騒ぐでないわ』と、まだ不機嫌そうな様子で応じているのですが

     『緒戦で曹操を討ち殺した、という噂であってもでございますか』という張昭さんの言葉に、真面目な

     表情になります。熊の骨も、口から離して」

孫権 「張昭は、もしも曹操が死んだという噂が本当ならば、『曹操による傀儡(かいらい)政治の排除を大儀と

     する、我ら孫呉にとって、闘うべき対象そのものを失うどころか、曹操なき曹軍が天子の御旗を

     掲げるだけで孫呉は謀反の賊!』と述べ、それを避ける道は『ただちに朝廷に赴き、孫氏の命運を

     賭けて、外交の交渉に臨むことのみ!』と、緊迫した面持ちで、蒼天の俺に告げている。

     さらに、事実の確認のために使者を送ったことも伝え『殿におかれては早急にお心づもりを!』

     とも忠告しているな」

管理人「張昭さんの言葉を聞いた孫権さんは、自分の懐に手を入れて、胸の辺りをボリッとかき、

     『開戦から今日まで、公瑾からは三通の書簡が届いた』と前置きし、周瑜さんは戦況・敵陣・兵力・

     敵の後方軍の様子まで、簡潔且つ詳しく記していたけれども、曹操さんについては…」

孫権 「…不自然すぎるほどに、曹操については一言も触れていなかった…と張昭が横から口を挟んだ」

管理人「張昭さんは『殿!そもそも周瑜は戦そのものを目的とする者』『外交という政の道を鑑みぬ者で

     あれば…』と、何やら諫言しようとしますが、その言葉の途中で孫権さんが、ズンと立ちあがり

     『問うておる間はない』と、言いきります」

孫権 「その言葉には張昭も『然り!然りでござる!孫呉の大義は寸刻を争う殿のご判断にかかって

     おります!』と同意するのだが、蒼天の俺が考えていることと張昭が考えていることは

     ちょっと違うみたいなんだよな」

管理人「そうみたいですね。孫権さんが『先陣にゆくぞ。孟徳の事に触れぬ公瑾が心配じゃ』

     言いますと、張昭さんは驚愕して『殿ぉ――― ッ 確認すべきは曹操の生死!周瑜の肚(はら)

     ではありますまいッ!』と気色ばんで、叫んでいらっしゃいますから」

孫権 「だが蒼天の俺は、そのように気色ばんで叫ぶ張昭に対して、

    『噂が真であれば、わしが天子に直接、大義を問いにゆく』と、きっぱりと言い切ったのだ!」

管理人「もし噂通りに曹操さんが亡くなっていて、張昭さんが心配しているような事態が起こった時には、

     呉の大義を守るための外交交渉は、孫権さんが自ら…しかも天子に直接かけあうと、蒼天の孫権さんは

     請け負われているのですね!頼もしいお言葉です!」

孫権 「蒼天の俺は、随分と成長したみたいだな。臣のことを思いやり、いざとなれば自らが全責任を

     荷って動くこともじさない…。ずっと、ぼーっとしていた何て信じられないような成長ぶりだ!」

管理人「そうですね♪これからも大いに成長してもらいたいものです!…ところで、今回も孫権さんは

     体を掻く姿を見せていました。『噂が真であれば…云々』と言いながらも、胸の辺りを掻いて

     いましたよ」

孫権 「う〜む。よほど、体がかゆいのだろうか?」

管理人「虎さんとか…ずっと動物と一緒にいらっしゃいますから、動物の毛についたダニやノミなどにくわれて

     しまったのでしょうか^^;」

孫権 「まさか、そんなことは無いだろうと思うが。う〜む…」

 

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