・「諸葛瑾に諌められる in 呉三国志」(呉三国志 2巻)

1、呂範との衝突

管理人「今回は、孫権さんと諸葛瑾さんとのやり取りの中で、特に印象に残ったエピソード

     を取り上げさせて頂きます♪」

孫権 「今回取り上げるエピソードは、正史には載っていないとのことだが?」

管理人「そうなのです。孫権さんが諸葛瑾さんに諌められるエピソードは、正史に幾つか

     残っているのですが、今回取り上げる話は正史には載っていないようなんですよね」

孫権 「では『呉三国志』における創作か?」

管理人「う〜ん、でも安直に創作とは決めつけられないと思うのです。正史以外にも、

     三国志の人物について書かれた文献は沢山ありそうですから…」

孫権 「確かに、正史ではなく、何か他の文献に残されている話を、『呉三国志』が用いた

     可能性は有るしな。創作とは断言できんか…だが、お前は出典を突き止めようとする

     努力はしたのか?」

管理人「……してません

孫権 「やはりな。相変わらず、怠惰な奴だ」

管理人「ううっ、すみません…。そういうわけで、詳しい出典が有るのかどうか、有るとしたら

     それは何というどんな文献なのか等、詳しいことは不明ですので、今回は『呉三国志』

     に書かれている内容のみに限って、取り上げさせて頂きますね」

孫権 「それで『in 呉三国志』と、わざわざ注意書きをつけておいたのか。…前置きが

     長くなったな。そろそろ話を進めるか」

管理人「そうですね、まず…事の起こりは、孫権さんが李術討伐を行なった時、呂範さん

     (字:子衡)が命令違反をして、局地戦で敗北したことだと書かれています。孫権さん

     の李術討伐については、以前こちらで取り上げましたね」

孫権 「李術を攻撃することになった経緯については、そちらを見てもらうとして…命令違反

     だけでも問題なのに、その上、敗北だからな。俺は当然、子衡に腹を立てるわけだ」

管理人「呂範さんは孫権さんの逆鱗に触れてしまわれたのですね。呂範さんは、そんな

     孫権さんの怒りを察してか、病気と称して、早々と帰国してしまわれたのですが、

     それがかえって孫権さんの怒りを煽ってしまったようです。呂範さんにしてみれば、

     身を守るための行動だったのかもしれませんが、裏目に出てしまったのですね…」

孫権 「それで俺は、自分が兄(孫策)の後を継いだばかりで、若いが故に、子衡に侮られた

     のだと受け取り、子衡を誅すると息巻いた…」

管理人「誅するって、殺すってことですよね?!ちょっと待って下さい!幾ら何でも、呂範さん

     を殺そうとするなんて、酷すぎますよ、孫権さん!」

孫権 「俺に言うな!子衡を殺そうとしたのは俺じゃなくて、この本に出てくる俺なんだろうが。

     俺に文句を言うなよな」

管理人「う〜ん、ややこしいですね^^;でも、呂範さんを殺そうとするのは、やはりヒドイことだと

     思います!呂範さんが具体的に、どんな命令に違反したのかは書かれていません

     ので、どの程度の命令違反だったかどうかは分かりません。もしかしたら、物凄く

     態度が悪くて、主君の命令なんか聞く耳持たないとか、それぐらい態度が悪かった

     のかもしれませんが、例えそうだったとしても誅するなんて言語道断です!局地戦

     で敗北したものの、最終的には李術さんは負け、孫権さん側が勝利しているの

     ですから。命令違反は罰しなければいけないとしても、誅さねばならない程では

     ないと思います!まして呂範さんは、正史を見ると、誠実で忠義なお方だったよう

     ですし、誅されなければならない程に、態度が悪かったということも有り得ない

     はずです!」

孫権 「…お前、やけに子衡の肩を持つんだな」

管理人「だって、呂範さんの孫家への…孫策さんや孫権さん達への貢献や功績のことを

     顧みれば、呂範さんのことを軽々しく誅するだなんて、絶対に考えられないはず

     ですし、考えてはいけないことだと思いますよ?」

孫権 「確かに子衡は、父上を亡くして間もなく、まだ身を立てるのが難しかった時期の

     兄上に身を寄せ、伯海(孫河)とともに常に兄上に従い、兄上を支えてくれたが…」

管理人「孫策さんだけでなく、孫権さん自身だって、しっかり呂範さんのお世話になって

     いらっしゃいますよ!孫堅さんが亡くなられて、孫策さんは家族…母である呉夫人

     さんや孫権さん達兄弟を、徐州の江都に住まわせていたのですが、徐州の牧である

     陶謙さんに孫策さんは嫌われていたのです。そこで難がかからないよう、陶謙さんを

     避けて、家族を別のところに移り住まわせようとした孫策さんが、家族を…つまり

     呉夫人さんや孫権さん達を迎えに行かせた人物が、呂範さんだったのですよね!」

孫権 「ああ、その話か。確かに、子衡が俺達を迎えに来てくれたわけだが…」

管理人「けれど、孫権さん達を助け出すために徐州に入った呂範さんは、陶謙さんに捕まった

     あげく、袁術の手先だと間違われ、その取り調べのために拷問にまでかけられて

     しまったんですよ!呂範さんが目をかけていた食客や兵士の方々が、呂範さんを

     救い出したことで、命は助かりましたが…。このように自分の身を危険にさらし、

     苦難や苦痛に耐えながら必死の思いで自分達を助けてくれた恩人

     誅しようとするなんて、本当に孫権さんは何を考えているんですか!自分の身を

     犠牲にしてまで家族を救ってくれた呂範さんの恩の大きさを、孫権さんは

      忘れたんですか!?」

孫権 「やけに子衡について熱く語るな?語る内容にも少々の誇張と妄想が含まれているし…

     …さてはお前、子衡のファンだな?」

管理人「…すみません…呂範さん、好きです…

孫権 「そんなことだろうと思った(笑)それはともかく、俺達や兄上が子衡に受けた恩や功績は

     お前に言われるまでも無く分かっているし、誅しようとするのは、確かにやり過ぎかも

     知れん。だが俺としては、この本の俺のこともフォローしてやりたいところだ。

     そもそも李術討伐には、兄上の後を継いだばかりの俺を侮り、叛いた李術を叩き

     のめすことで、『俺の権威を内外に示し、人心を安定させよう』とする狙いもあった。

     …いわば李術を、見せしめにするんだな」

管理人「なるほど。後を継いだばかりの孫権さんに君主が務まるか、不安を抱く方も

     少なくなかったみたいですからね。見限られれば、さっさと他所に出ていかれてしまう

     ような状況だったようですし…実際に孫権さんから離反しようとする方々もいたよう

     ですし…」

孫権 「だからこそ、俺の力を見せつけて、離反の動きを抑えなくてはならなかった。

     そのための李術討伐であるのに、兄上の時代から仕えている子衡が俺に叛き、

     俺を侮る態度を見せれば、どうなる?折角、李術を叩きのめしても、家臣に侮られる

     俺の姿を見れば、誰も俺を見直すどころか、ますます俺を軽んじ、離反することにも

     なりかねん。李術討伐で得られるはずの成果が、台無しになってしまう…」

管理人「そうなってしまったら、折角の苦労も、水の泡ですよね…」

孫権 「だからこそ、俺は子衡を誅すると主張した…と考えられないか?命令に叛いた子衡を

    誅することで、『叛いた者は誰であろうと許しては置かぬ』という態度を明確にし、主君と

    しての権威と力量あるところを示して、人心を従わせようとした…そう考えることも

    出来るだろ?」

管理人「なるほど。つまり、李術さんの代わりに呂範さんを、見せしめとすると」     

孫権 「見せしめ、というのは言葉が悪いかも知れんし、怒りにまかせて子衡を誅しようとした

     面もあるだろうとは思うがな。だが、やむを得ない事情も有ったのではないかと

     いうことも考慮に入れると、またこの場面の印象も違ってくるだろ?」

管理人「そうですね。孫権さんが、ただ私的な怒りにまかせて呂範さんを殺そうとしたと

     いうことになると、孫権さんへの印象は最悪ですものね^^;」

孫権 「それに、子衡も謝罪することなく、病気を理由にさっさと国に帰ってしまっているからな。

     その対処の仕方にも、多少は問題があると思わんか?」

管理人「…ですが、どんな事情があったにしろ、やはり呂範さんを誅するというのは、

     行き過ぎだと思います!そこまで呂範さんを誅することに、こだわりを見せるとなると、

     見せしめの他にも何か理由があったのでは…はっ!( ̄□ ̄;まっ、まさか、

     呂範さんがお小遣いをくれなかったことを恨んで!?」

孫権 「そんなわけ、あるか!まったく…」

管理人「それはさておき、とにかく孫権さんは呂範さんを誅すると言って、誰の諌めも

     聞く耳持ちません。何人かの諌官が、口を酸っぱくして説得しようとしても、

     効果がなかった…と書かれています。随分と、頑固ですね〜孫権さん」

孫権 「だから、頑固なのは俺ではなくて、この本の俺であるわけで…ああ、もう

     どうでも良いか」

管理人「そんな頑固な孫権さんの堅い意思を翻し、誅殺の危機に瀕した呂範さんの

     命を救うため、颯爽と立ち上がった男が一人…そう、その男こそ、我らが

     ヒーロー!諸葛瑾(字:子瑜)さんです!

孫権 「随分と大げさな言いまわしだな…そうか、お前は子瑜のことも好きなのか(笑)」

管理人「ええ、まあv…ちょっと、調子に乗りすぎましたか^^;」

孫権 「それで、いよいよ諸葛瑾が、俺を諌めにかかるわけだが…その話は、また次回と

     いうことで、今回はここまでなのだな?」

管理人「はい、少し前置きが長くなりすぎてしまいましたので^^;諸葛瑾さんの活躍については

     次回で本格的に取り上げさせて頂きますv」

孫権 「それでは、次回をお楽しみに!」

管理人「それにしても、呂範さんは一体、どんな命令に違反したんでしょう…。気になります」

    

 

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