・『花残月』 定価:514円+税 (著者:朝香 祥 出版:集英社)
かぜ江シリーズの中の一冊で、14歳の孫策と周瑜が主役の小説です。 ある日、少女が野盗に追われているところに偶然出会した孫策と周瑜。二人は少女を助けられたものの、野盗は取り逃がしてしまいます。近頃、廬江郡周辺では野盗騒ぎが頻発しており、少女とその家族達を襲った野盗も同じ一味によるものらしい。そう考えた孫策・周瑜は、同じ年頃の仲間達と共に野盗退治に乗り出します。さらに、孫策が蓮(周瑜の姉)を想う恋の話も盛りこまれていて…果たして少年達は野盗の正体を掴み、見事退治することができるのか?孫策の恋の行方は?という感じで、朝香先生オリジナルの話が展開します。 孫策の恋関連の話はストーリーの所々にさり気なく入れられていて、メインの話を妨げることなく話に華を添えていると思いました。蓮を目の前にすると、顔が自然に赤くなってしまったり上手く話せなくなったりする、恋する孫策の姿が微笑ましいですv 役人達が解決の糸口を掴めてないのに、孫策達が意外と簡単に野盗の手掛かりを掴むのは「ちょっと役人達が情けないのでは…」と思わないでも無いですが、一応「役人達は規則や管轄の関係で調査が制限されるのに対し、孫策達は自由に調べて回れるから」との説明がされてました。これは納得ですが、ただ14歳の少年達だけで野盗団に立ち向かうのは、どうしても無茶な事に思われてしまいました(汗)孫策・周瑜は強いから大丈夫としても、他の子達は…。
孫策・周瑜と共に野盗退治に乗り出す、同い年位の少年達8人は少し影が薄かったかも…(汗)おそらく小説オリジナルの人物ですが、ちゃんと名前がついていた子は8人中4人くらいで、その子達は性格設定も、印象的な台詞や出番もあるのですが、それ以外の子は特に目立った働きも無いのが残念です。多勢書くのが難しければ、人数を減らしてでも個性と名前と活躍の場が一人一人に有れば良かったなと思いました。孫策・周瑜以外の子が活躍する姿も、もう少し見たかったですから。でも孫策・周瑜が友人達とあれこれ話している場面では、やっぱり二人も普通の少年なんだと思えて、親近感が湧きました(笑)あまりにも大人顔負けのことばかりやっているので、この二人は…。 他には、周本家の総領・周忠も出てきます。『青嵐の夢』での書かれ方などから、私はこの人にはあまり良いイメージを持っていなかったのですが、この本では「おっ、意外に良い人かも!」と思える場面があって、評価が上がりました♪「意外に」というのは失礼かもしれませんが…(^^;) あと孫権・孫翊が可愛いかったです!ちょっとしか出てこないにも関わらず、印象的でした。孫権より下の弟達って注目されることが少ないので、孫兄弟(孫翊・孫匡・孫朗含む)好きな私は、孫翊が出てきたのが(しかも台詞・挿絵も有り)とっても嬉しかったです♪孫策・孫権・孫翊の共演(?)の場面では「孫策の弟は孫権だけじゃないんだな〜」とか「孫権は孫策の弟であると同時に、孫翊達の兄でもあるんだよね〜」等を改めて感じることが出来ました。 |
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