「宮殿の木材をリサイクル」(正史 呉主伝 第二より) 管理人「今回は孫権さんがリサイクルした場面を取り上げます♪」 孫権 「これって、リサイクルって言うのか?何か違うような…(^^;) 」 管理人「ええと、赤烏十年(247)三月に、都の建業で太初宮(建業の宮殿)の改築を行ったのですよね」 孫権 「ああ、そうだ。もともと建業の宮殿は俺が京城から移ってくる際に建てた将軍府の役所にすぎない ものだったんだ」 管理人「確かに、呉の黄龍元年(229)四月に孫権さんは皇帝の位につき九月に都を建業に遷したのですが、 遷都に際しては建業に元からあった役所を使用し、新しく官庁の建物を建てることはしなかった…と 書かれていますね〜」 孫権 「だから木材も柱も細く、みな老朽化して倒壊の心配があったのだ。それで建業の宮殿を改築すること になったのだが、俺は『再び西の方に遷都するつもりは無いから武昌宮の木材や瓦を運んできて、 それを使って修繕すれば良い』と言ったんだ。武昌は、建業の前の都だ」 管理人「もとの都であった武昌の宮殿の、木材や瓦を再利用して建業の宮殿を改築しようとしたのですね。 ですが、役人は『武昌宮を建てられてから、すでに28年にもなりますので、おそらくは使用にたえ ますまい。広く命令を下されて、呉の国全域から木を伐って木材を運ばれますように』と進言した らしいのです。確かに最もな意見だと思いますが?」 孫権 「ああそうだ。だが、俺は『夏の禹王は、宮殿を質素にしたことで高い評判を得た。現在、軍事はなお 終息せず、いたる所で賦役が多く課せられている。もしさらに広く木材伐採を命じれば、農耕養蚕 の妨げとなろう。武昌の木材や瓦を移してきても、十分に用いることができるのだ』と、こう言った」 管理人「おお!民に負担をかけないようにとの配慮からの考えだったのですね(^^)宮殿の改築には 諸将たちや州郡の長官たちも労働奉仕に加わった…とのことですが、これも民の負担を軽くしよう との配慮だったのでしょう。権力者は宮殿などの豪華な建築物を作りたがるという(私の勝手な) イメージがありますが、皇帝でありながら豪華な宮殿作りに走らないで、民に負担をかけないようにと 以前の宮殿のリサイクルで改築を間に合わせた孫権さんの行動は立派だと思います」 孫権 「まあ、木材や瓦の再利用だからリサイクルと言っても良いかもな」 管理人「地球環境のためにも、リサイクルするのは大切なことですよね」
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