『虞翻を斬ろうとする』(正史 虞翻伝より) 


管理人「さ〜て、『孫権さん お酒を飲んで 大暴れ』な事件を今回も取り上げさせて頂きます!」

孫権 「何も五七五で詠まんでも…」

管理人「孫権さんがいかに酒乱だったかを知らしめなければなりませんから。今回も覚悟して下さいね、

     孫権さん」

孫権 「分かった分かった…。酒…虞翻…というと、俺が呉王に任ぜられた時の話だな」

管理人「そうです。孫権さんが呉王に任ぜられると〔それを祝って宴会が開かれたが〕、その宴会も

     終りに近づく頃、孫権さん自身が立ちあがって、酒をついでまわった…と正史にありますね」

孫権 「うむ。自ら家臣に酒を注いでまわるところに、俺の気遣いや思いやりが感じられないか?」

管理人「確かに、普通に考えれば思いやりのある行動かもしれませんね。でも…孫権さんの場合はその

     勧め方に問題があるのではと思うのですが(飲めない人にも無理矢理飲ませそうで)」

孫権 「俺が酒を注いでまわっていると、虞翻は床に倒れ伏していて、杯を受け取らなかったのだ。

     まあ仕方ないな…と俺はそのまま通りすぎたのだが…」

管理人「実は、虞翻さんは酔っ払ったふりをしていただけで、孫権さんが虞翻さんの前を去ると、

     虞翻さんはきちんと座りなおしたのですよね…。」

孫権 「そうだ。全く頭に来るだろう?!」

管理人「確かに…。酔ったふりをするだけならともかく、その後しっかり起き上がってますからね。

     お酒の入った孫権さん相手に、こんなあてつけのような酒のやり過ごし方をするなんて…

     勇気のある人ですね、虞翻さん(汗)」

孫権 「もちろん、これを見て俺は大いに腹を立てたぞ。そして、剣を手にして虞翻に斬りつけようとした…」

管理人「相変わらず無茶なことをしますね!でも、その座にいた人たちが皆さん動転してしまった中、

     大農の劉基さんだけは〔少しも慌てず〕立ちあがって孫権さんを抱き止め、孫権さんの暴走を

     止めてくれたのですよね」

孫権 「そうだな。俺を抱き止めた劉基は『大王さまが酒がまわったうえで立派な人物を殺したりされれば、

    虞翻に落ち度があったとはいえ、広い世間の誰がそれを分かってくれましょう。それに加え、

    大王さまが賢者を受け入れ人々をよく養われるということで、全世界の者たちは遥かに仰ぎ

    したっておるのでございます。今ここで人々を失望させてしまわれて良いものでしょうか』

    などと、俺を諌めてな…」

管理人「そうですよね。酔っ払って人を殺したなんてことになれば、孫権さんが人材を用いるのが

     上手いという評判も地に落ちますよね…。それで孫権さんは、その諌めに従ったのですか?」

孫権 「いや、俺は言い返したぞ。『曹孟徳(曹操)は孔文挙(孔融)すら殺したのであるから、俺が虞翻を

     殺したとて何の不都合があろう』とな」

管理人「孔融さんは孔子二十代目の子孫で、曹操さんに仕えていた人ですよね。色々と過激なことを

     言って、曹操さんがそれに腹を立てて殺したそうですが…。でも、人がしたから自分もしていい

     なんてことは絶対に無いですよ!随分と子供じみた反論のような気がします^^; 」

孫権 「そっ、そうか?まあ当然、劉基も『孟徳どのが軽々しく立派な人物たちを殺害することについては

    天下の者たちがそろって非難しております。大王さまは、みずから徳と義を行なわれ、その盛んさ

    を尭や舜と較(くら)べようとされておりますのに、どうしてご自身を彼などに較べられてよいもの

    でしょう』と、俺を諌めたぞ。それで俺も、虞翻を斬るのを思いとどまったのだがな…」

管理人「そうですか、それは良かったですが…それにしても、人を殺そうとまでするとは、孫権さんの

     酒乱には余程のものがありますね〜」

孫権 「まあ、このことがあって俺も、側近の者たちに対して『今後、酒が入った上で自分が殺すと言っても

    決して殺してはならない』と命じたけどな…」

管理人「おおっ、孫権さんも自分が酒乱だと自覚されてたのですね!正史の『三嗣主伝 第三』の注に

     引用されている陸機の『弁亡論』の中に、孫権さんは『酒を三杯以上飲んだうえでの自分の命令

     には効力が無いと宣言した』と書かれています。酒乱でも、それをちゃんと自覚して…酔った

     自分の命令はきくなと言いきっているところに好感が持てます(^^)自覚しているだけ、ましだと

     言えそうですね♪」

孫権 「そうだろ?俺だってしっかりと考えているんだ」

管理人「ともかく、虞翻さんが助かってよかったです。孫権さんが殺さなくて良かった…」

孫権 「まあ、虞翻も酒の上でしばしば失敗することがあってな…。俺と張昭が議論していて話題が

     神仙のことに及んだ時などは、虞翻は張昭を指さし『あいつらは皆死んだ者だ。それなのに

     神仙のことをまことしやかに語っておる。世の中に神仙などいるものか』と言ったことがあってな」

管理人「それはまた、口が悪いですね〜」

孫権 「俺は、一度ならず虞翻に腹を立てさせられ怒りをつのらせていたのでな、この時は許さなかった。

    虞翻を交州(ベトナム辺り)に強制移住させてやったぞ」

管理人「虞翻さんは斬られずには済みましたが、結局流されてしまったのですか…。う〜む、お酒の席で

     失敗しないように、私も気をつけますね…」

孫権 「そうだな、酒の席で失態をやらかさないように気をつけないとな」

管理人「一番気をつけなければいけないのは、孫権さんですよ…」

 

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