『甘寧と凌統を仲裁する』

管理人「今回は、BSで放送されていたドラマ『三国演義』の中の場面を紹介します」

孫権 「それは良いのだが…今回のゲストは、ちょっとまずい二人を呼んでしまったのではないか?」

管理人「あっ、今回はゲストとして、甘寧さんと凌統さんに来て頂きました♪」

甘寧 「よお!俺にも出番があって嬉しいぜ!」

凌統 「こんにちは。宜しくお願いします」

孫権 「この二人は何かにつけて、ぶつかりあっていてな…今は穏やかな雰囲気だが…。

     二人一緒に呼んで、揉め事が起こっても知らんぞ…」

管理人「それでは和やかな雰囲気のうちに、素早く話を進めてしまいましょう。

     今回の場面は、ドラマの54話目『合肥での会戦』に出てくるのですが…。建安二十年(215)、

     曹操さんは漢中の張魯を攻め落とし、そのまま劉備さんの治める蜀方面に攻め入ろうと

     大軍を率いて、南下していたのです」

孫権 「劉備と孔明は、呉に荊州の三郡…長沙・江夏・桂陽を返還して、その代わりに俺達呉軍に

    魏の合肥を攻めさせ、曹操の目を南方へ向けさせようとしたんだ。この時は丁度、荊州を

    めぐって呉と蜀が対立していた時期だった」

管理人「劉備さんのところから、伊籍さんが使者として呉に派遣されて来たのですよね。伊籍さんは

     『もし曹操が蜀を獲れば、呉も危うくなる』『孫権軍が合肥を攻め、劉備軍が東川に向かえば

     曹操を南北から牽制でき、呉・蜀ともに安泰となる』『今、曹操は漢中にいて、合肥は手薄。

     留守を守っている李典と張遼は不仲なので、この機に攻めれば必ず勝てる』などと説得し、

     最初は『荊州全土を返せ』と言っていた孫権さんも納得して、呉の家臣の方々も賛成したので、

     兵を出して合肥を攻めることに決まりました」

孫権 「我が軍は合肥を攻めるために、まず皖城を攻めたんだ。五万ほどの兵でな」

管理人「孫権さん自らが指揮をとり、呂蒙さん・甘寧さんが先鋒、さらに凌統さんの軍勢も加わるとの

     ことで、呉軍は皖城を攻め落とすことが出来たのですよね」

孫権 「皖城を攻め落とせたのには、興覇(甘寧)の働きが大きかったんだ」

管理人「おお、そうなのですか!だから、皖城を攻め取ったことを祝う宴の時に、呂蒙さんが

     『一番の手柄は甘寧殿だな』と、その場の一同の前で甘寧さんの働きを賞賛したのですね♪」

孫権 「そうだな。それで子明(呂蒙)は『我ら一同で甘寧殿に、酒を勧めようではないか』と、

     興覇に杯を渡し、その場の一同も『杯をあげてくれ』と、皆で興覇に酒を勧めた。

     …ところで俺はこの宴会の場には、いないんだよな。いるのは家臣たちだけで。

     宴会大好きの俺がいないなんて珍しいよな」

管理人「ご自分で言わないで下さいよ^^;私がツッコミを入れようと思ってたのに…」

甘寧 「それで、酒を勧められたドラマの俺は『おのおの方、かたじけない!』と、にこやかに礼を言って

     酒を飲み干したんだ。皆の心遣いに感謝してな。

     やっぱ皆に活躍を認められて、誉められんのは気持ちが良いよな〜」

孫権 「周囲の皆も、興覇が酒を飲み干したのを見て笑って、楽しそうにしているな」

甘寧 「けど、その中で面白くなさそうな顔をしている奴が、一人…(凌統の方を見る)」

凌統 「悪かったな!…確かにドラマの俺は、興覇が賞賛されているのを見て

     いら立っている様子でしたね…」

管理人「それで甘寧さんが『さあ、おのおの方も!』と、その場の皆様にお酒を勧め、皆で一緒に

     お酒を召し上がられて、和気あいあいとした雰囲気となりました」

孫権 「ちなみに宴会の場は、正面に一つ机があって、そこが子明の席になっている。

     残りの三方向に、ずらっと席が並べられていて、真中には広くスペースが取られているんだ」

甘寧 「子明が真中のスペースに立って、なおも俺のことを『甘寧殿は敵の矢をも恐れず、真っ先に

     攻め入られた。見事な度胸だ。見習わねばならん』なんて誉めてくれるんだよ。

     ここまで誉められたら、照れちまうな〜(笑)おまけに、『ささっ、もう一杯飲んでもらおう』なんて

     また酒を勧めてくれて、皆も笑っているもんだから、俺も杯を受けようとしたんだよ。

     そしたら、公績(凌統)が…」

凌統 「ドラマの俺は、席の前に置かれた、料理をのせてある机を叩いて、急に立ちあがり…剣を抜いて

     『つまらん酒盛りだ。わしが、この剣で舞いでも舞おう!』と、真中のスペースに出て

     剣舞を舞い始めたのです」

甘寧 「皆、楽しそうにしていたじゃねえか。それをいきなり『つまらん酒盛り』なんて、ちょっと水を

     さされた気がするな」

孫権 「最初の内は皆も、良い余興だと、公績の剣舞を楽しんでいたのだが…。公績は舞いつつ剣を

     興覇につきつけたんだ、二度ほどな。それで公績は、舞いながら隙あらば興覇を

     斬り殺そうとしているのだと、皆も気がついたのだ」

甘寧 「身の危険を感じた俺も、自分の席の前にある机を蹴り倒し、両手に戟を持ちつつ立ちあがり、

    『おのおの方、かたじけない!わしもこの戟で酒肴を演じよう』と、公績と同じように

    真中に出て舞い始めたんだよ。公績から身を守り、反撃できるようにってな」

凌統 「舞っているうちに、ついに俺と興覇は刃を交えました。しかし俺の剣は、興覇の戟に

    受け止められ、阻まれてしまったのです…」

管理人「その場は緊迫した雰囲気に包まれました。そこで、甘寧さんと凌統さんの争いを見ていた

     家臣さん達の一人が、隣に座っている方に『ご主君をお呼びしてくる』と伝えて、孫権さんを

     呼びに行くために席を立ちました。争いを収拾してもらうためにですね」

甘寧 「俺と公績は、なおも激しく刃を撃ち合っててなあ、子明もはらはらしていたぜ」

凌統 「そうやって、相い争っている俺達に突然「やめんか!」という殿の声が跳びました」

孫権 「話を聞いたドラマの俺が、二人の争いを止めるために、その場に入っていったんだ。

    そしてドラマの俺は腹を立てた様子で、武器を下ろした興覇と公績に

    『貴殿らには、旧怨を忘れるよう申したはず…。なのに、これはどういうわけだ!』と、

    苦悩したように語りかけたんだ。すると…」

凌統 「俺は殿に『ご主君!私の父は、こ奴に殺され…今日がその…父の…命日なのです!』

     と訴えかけ、口惜しそうに床に片ひざをついて、涙をこらえていました…」

孫権 「俺は、そんな公績を立ちあがらせると、公績と興覇の二人に向かって

    『私とて…忘れてはおらぬ。かつて、そなたの父と甘寧は、別々の主に仕えていた。だが今は

    私にとって二人は、無くてはならぬ存在だ。旧怨は水に流してくれ』と言い聞かせたんだ」

管理人「甘寧さんは呉に仕える前に、黄祖という人に仕えていたのですよね」

孫権 「ああ。興覇が黄祖に仕えていた時、黄祖と呉軍との戦いで、興覇は公績の父・凌操を

     射殺していてな…(ひそひそ)」

管理人「でもその後、甘寧さんは呉に来て、孫権さんに仕えるようになったので、凌統さんは父を殺した甘寧さんと

     同じ陣営に仕えることになってしまったのですよね…(ひそひそ)」

孫権「そうだ。だから公績は、同陣営であるにも関わらず、興覇を父の仇として恨んでいたんだ…(ひそひそ)。

    あ〜、それでだな。俺は、まず公績の方に『凌統よ、そなたは理をわきまえ、義を重んじる男だ。

   国事を第一に考え、私怨は捨ててくれ』と言い聞かせたんだ」

管理人「孫権さんは、穏やかに言い聞かせていますね。怒っているようではなく、やさしそうですv」

凌統 「殿に言い聞かせられた俺は『ご主君!ううっ…』と口惜しいような、納得したような…

    困惑したような様子で、殿の前から離れて行きました」

甘寧 「でっ、次に、殿は俺に向かって『甘寧…今日、凌統は気が立っている。人は、そういう時も

    あるものだ。そなたは年上だから…許してやってくれるな』と、言い聞かせられたんだ。

    殿にここまで言われたんじゃ、俺だって納得しないわけにいかねえ。ドラマの俺は

    『ご主君のおっしゃる通りです。私が悪うございました…』と反省したんだ。けどなあ、その

    言葉を聞いて、公績が顔を上げたんだ。『納得できない』って表情だったな…」

凌統 「それは…興覇が年上だから、俺を許すなんて…まるで俺がガキみたいじゃないか!」

甘寧 「折角、殿がうまく収めて下さったってのに、わだかまりを残すような顔しやがって」

凌統 「何おっ!」

甘寧 「大体、俺の方が年上だって言っても、このドラマじゃ俺と公績に年の差があるように

     見えねえけどな、見た目じゃ。確かに、公績にはヒゲが無かったが、たんなるヒゲの無い

     おっさんって感じで、若者には見えなかったけどな〜」

凌統 「うるさい!」

孫権 「よせ、二人とも!ここでは取り上げなかったが、ドラマには、この後お前達が結局

    仲直りする場面があったんだから…もう少し仲良く…な?」

甘寧 「………………」

凌統 「……………はい」

管理人「甘寧さんと凌統さんに、それぞれ争いを止めるように言い聞かせる孫権さんは、

     とてもやさしそうな様子で、気遣いの人というように見えましたよ♪

     孫権さん、さすがは主君といった感じで、貫禄が感じられる場面でした。

     ところで、凌統さんと甘寧さんが、剣や戟で舞い争っているところを仲裁したのは

     このドラマでは孫権さんでしたが、本当は正史でも演義でも、呂蒙さんが仲裁したのですよね」

孫権 「ああ、そうだ。本当は、興覇と公績の間に、子明が盾を持って舞って入り、二人を戦わせない

     ようにと、上手く舞って二人を妨げたので、興覇も公績も手出しが出来ず、事無きを得たんだ」

管理人「おお!呂蒙さんは体を張って、二人を仲裁したのですね!格好良いです!

     それなのに、このドラマでは……」

甘寧 「殿に出番を………」

凌統 「……取られてしまったんですね」

孫権 「……すまん、子明…」

    

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