『蒼天航路』(講談社) 22巻
 
※ネタバレが含まれておりますのでご注意下さい

孫権 「蒼天航路の俺に関しては、以前21巻までは取り上げていたよな」

管理人「はい。今回は引き続き22巻に出てくる孫権さんについて取上げます。22巻では、

     なんと孫権さんは裏表紙を飾られているのですよ!カラーの孫権さんイラストがでかでかと

     載せられていて、この巻での孫権さんの大活躍を予感させられる裏表紙です♪」

孫権 「それは少し大げさだが、裏表紙を飾れたのは嬉しいな。このカラーイラストで蒼天の俺が

     紫色の髪の毛をしているということも分かったし。俺は演義では碧眼紫髯と書かれているから

     そこから髪を紫にしたのかもしれないな」

管理人「この色、紫ですか?茶色にも見えるような気がしますが…」

孫権 「茶色にも紫色にも見える髪の色だな」

管理人「…まあそれは良いとして、目の色までは良く分からなくて残念です。あと、裏表紙の

     孫権さんは大きな卵を抱えていて、その卵からは竜が孵化しかけています。卵からは

     竜の右の前足と頭と尻尾だけが出ているのですが、これは孫権さんを竜になぞらえ、

     この竜のように孫権さんも王として目覚め始めた…ということを表しているのでしょうか?」

孫権 「本当の所は分からんが、しかし今回のお前は細かいところまで解釈しているな。

    いつもはいいかげんな取り上げ方しかしていないのに、珍しいことだ」

管理人「ふん、もう何を言われても気にしませんからね。孫権さんの毒舌にも慣れましたから(笑)

     勝手な解釈をもう一つ言わせて頂ければ、孫権さんは卵を抱えて大きな青銅器に腰掛けて

     います。この青銅器は足が三本で…鼎というものなのでしょうか?この三本の足が

     三国それぞれを表していて、孫権さんもその一端を担っているという象徴的なイラストと

     考えられないでしょうか?」

孫権 「…まあ、解釈するのは自由だからな」

管理人「では、内容の方にうつりますね。軍議では、魯粛さんが『劉備と盟を結んで、曹操と開戦する』

     ことを主張して、張昭さんは相変わらず曹操さんに降伏するように主張しています。

     そこで、魯粛さんは孫権さんに決断を迫るのですよ。

     『劉備殿と盟を結び、ご自身の覇の志を明らかになさいますか!?あるいはむざむざ曹操

     に天下を明け渡してしまわれますか!?』と。そこに張昭さんが『要は曹操と結ぶか戦うか!

     道理か無謀かの処決でございまする!』と口を出すのですが、それに対して孫権さんは…」

孫権 「俺は?」

管理人「『“要は″って言うな』『“ふたつにひとつ″とか なんでも無理矢理わかりやすいものに

     するでない』とお答えなさるのです!蒼天孫権さんが、呉の君主となってから初めて喋った台詞が

     これなのですよ!もう格好良すぎます♪確かに、“ふたつにひとつ″なんて簡単にできるような

     単純な状況ではありませんものね。その後も『孫権様がこれほど哀しいお方であったとは』

     と、突然現れてひっくひっく泣いている蒼天孔明さんに『誰じゃ 名のらんか』と凄みのある

     顔で尋ねたりしています。この孫権さんの顔は少しだけ笑みを浮かべているだけに、

     ぞっとするような凄みと、迫力がありましたよ」

孫権 「大人になってからはずっと、ぼーっとしていた蒼天の俺もようやく動き出したというわけか」

管理人「でも、この場面ではまだ表情が死んでいるというか…目や表情が生き生きとしてはいないです」

孫権 「確かにそうだな。独断で劉備と盟を結んできた魯粛に対して怒っている張公にも

    『法に照らすと殺さにゃならんか』『それなら たぶん公瑾(周瑜)もじゃ』とか、とんでもない事を

    言っているしな…」

管理人「そうですね、この台詞にはびっくりしました…。後、この場面で他に気になったことは、

     孫権さんがずっと体のあちこちをぽりぽり掻いていることです。ひざに胸に腕に、肩から背中、

     あごにお腹も掻いています。…よっぽど体中がかゆかったのでしょうかね?」

孫権 「さぁ…蒼天の俺はよく動物になつかれているから、動物からのダニやノミによく刺されているの

    かも知れんな。勝手な推測ではあるが(汗) 」

管理人「蒼天孔明さんが、孫権さんを哀しい人と評したことについてですが…孔明さんは

     孫権さんのことを『あれほど多くの人の心をあれほど深く感じとられる。それゆえにご自身の

     魂は決してそのままの形で表れることがない』

     『人は自分の感情をあそこまで面に表さずにおれるものなのですか』と評しています。

     これによると…私の簡単過ぎる読み取りで申し訳無いのですが、蒼天の孫権さんは、

     沢山の人の心を深く感じ取ることができるあまり自分の感情を押し込めてしまう人…ということ

     になるのでしょうね」

孫権 「本当に簡単過ぎる読み取りだな」

管理人「…自分でも気にしているのですから、つっこまないで下さい^^;それでですね、いよいよ

     曹操さんと開戦するか降伏するか決断しなければならない日になりまして…色々と軍議が

     進められていくうちに、曹操さんからの書状が来たのですよ。降伏の勧告の」

孫権 「待て、この書状は本当に曹操からのものとは言いきれないのではなかったか?何しろ、

     この書状を運んできた爺さんは蒼天孔明の仲間の爺さんのようだしな。孔明が作った、

    呉に開戦させるためのニセの書状という説が有力のようにも思えるぞ」

管理人「でも、呉の人々はこの書状を本当に曹操さんから来た書状だと思っていますよ。

     孫権さんがこの書状を張昭さんに読み上げるように命じ、張昭さんは

     『書状に曰く 近ごろ勅命を奉じて罪人を討つべく軍旗を南に向けたところ 

      荊州・劉[王宗]はいかほどの抵抗も示すことなく降伏した これより水軍80万を率いてゆく

     呉の地で孫将軍とともに狩りをいたそう』という内容を読み上げたのです。すると…何と

     降伏を勧めていたはずの張昭さんが『この驕慢に充ちたあられもない威嚇…こんな降伏の

     勧告状があってよいものかーッ』と血の涙を流してその書状の内容に腹を立てるのですよ」

孫権 「それでも、張昭は江南の民のために降伏するように、俺に勧めるんだよな」

管理人「そして、孔明さんが『孫権様 あなたの意を表していただく舞台はこれで調ってございます』

     孫権さんに自分の意志を話すように促すと、いきなり孫権さんのそばに控えていた鷹が

     飛び立ったのです。すると孫権さんは『蒼天は すでに死んでおるのか 死にかけておるのか

     まだまだ元気なのか?』と問いを口にし始めるのです。そして『わしの意は一言でかたづかん

     から全部聞け』と話はじめる孫権さんの体は徐々に揺れ始めて…」

孫権 「体がぐらぐらと揺れ始めるのだな。そして『漢帝国を乱し乱世をひき起こした者は誰じゃあ?』

    と問いかけを始めて次々と問いを発し、しかも体は揺れるだけに留まらずに、ごろごろと…

    ごろんごろん転がり出すんだ。孔明によると、俺の胸の内が抑えきれず揺れ動いて来た…との

    ことだが、胸の内が揺れ動くと、共に体も揺れ動くとは不思議な奴だ…蒼天の俺は」

管理人「本当にダルマさんみたいに転がっていますね。転がって頭から逆さになりながら

     大きなおならをしつつ、それでも転がりながら「問い」を続けます。一々詳しい台詞は

     書けませんが、張昭さんたちの言葉を借りると、まず孫権さんは

     『漢朝の命運と乱世の首謀者を問われ 次いで董卓の評価と天子の正統性を問う』のです。

     『天下を語る者なら誰しもがすでに何らかの答えを出してしまっている、これらの問い。

      これら今さらながらの問いをこの方はずっと問い続けておられたのか』と、その場に

     いらっしゃる方々は驚いています。周瑜さんも『人は生きてゆくため、次に進むため、

     およそ答えの出ぬ問いに強引に答えを出してゆくもの。しかしこの人は…この人の中には

     膨大な問いが、ただ問いのままにある!』と驚かれています」

孫権 「さらに、父上と兄上に関しても問うのだよな。

    『董卓までもが恐れたわが父・文台こそは、この乱世を制すべき天下人ではなかったのか?』

    『わずか6年の間に江南を制した、わが兄・伯符が 霸王・項羽のごとしといわれた

     その霸気が中原に至らなかったのはなぜじゃ?』と…」

管理人「その後に続く言葉がせつないのですよ〜。孫権さんは涙をこぼしながら

     『天命とは 文台・伯符の天命はいったい何であったのか?』『わしは知りたいのじゃあああ』

     と、力を込めて問われています…。父・兄の横死は孫権さんの中で、とても簡単には

     答えは出せるようなものではなかったようですね…」

孫権 「それを聞いた黄蓋が涙を流しながら『父君と兄君の天命はご主君の血の中に

     しかと宿っておりまするぞーッ!』と叫んだが、俺は『黄蓋 まだ言いきるでない!』とさえぎり

    『わしがはたしてその天命を担うにふさわしい者であるか?』『わし自身の天命とは?』

    『国とは?』『天下とは?』『歴史とは?』っと次々と問う。しかもあぐらをかきながら

    どんどんと飛び跳ねて前へ進みながら…な。器用なことをする奴だ…」

管理人「あぐらをかいたまま飛び跳ねて大きなついたての前にくると、先ほど飛び立っていった

     鷹が剣をつかんで丁度孫権さんの真上に飛び戻ってきます。そして孫権さんは

     『わしはそれらを知りたいがため』と言いながら高だかと挙げた両手でその剣を掴み

     刀を抜くと、そのままの勢いで眼前の巨大なついたてを真っ二つに斬り下げ、

     『孟徳と戦うことにする』と宣言されたのです!」

孫権 「この時もあぐらをかいたまま飛び上がって、両手で剣を持ちたたっ斬っているな…。

     ごろごろ転がったり、あぐらをかいたまま飛び跳ねたり…蒼天の俺は、もさーっとした外見

    とは裏腹に、なかなかの身体能力があるようだ」

管理人「孫権さんの開戦の宣言に、その場の文武百官は感涙しつつ孫権さんに拱手します。

     『忠とは? 義とは?勇とは? 臣とは?』『われら孫家三代につき従いたる臣もまた

     ご主君によって問いを掘り起こされたのでございます』と、これは周瑜さんの台詞ですが…」

孫権 「これで、文武百官も一つにまとまったということだな」

管理人「はい。そして文武百官が居並んで孫権さんに向かって感涙しつつ拱手している会堂に…

     動物たちが孫権さんに向かって(いるように見える)、ゆっくりと(のように思える)入りこんで

     きています^^; 」

孫権 「ああ…ムツゴロウ孫権の本領発揮か…」

管理人「虎はもちろん、クマ、ワニ、イボイノシシ、ダチョウ、サイ、わけの分からない怪鳥…等、

     中国ではいないような動物までやって来ています…。どうやら、蒼天孫権さんのムツゴロウっぷりは

     よりグレードアップしていたようですね^^;」

孫権 「会堂に居並ぶ文武百官が泣いているのは、俺の態度に感涙しているのではなく、 こ

     の動物たちが怖いからではないのか?」

管理人「そして、孫権さんは子供の頃と同じ様に虎の背にまたがり『長江で孟徳と狩りじゃ!』

     宣言するのですが、その顔は子供の頃のような生き生きとした表情をしています♪

     目に生き生きとした光りも戻り、子供の頃のはつらつとした雰囲気が戻ったようで感動でした!」

孫権 「ここまでが赤壁開戦の俺だが…この場面はやはり実際に漫画で見てもらいたいな。

    文章ではこの場面の迫力や感動は半分も伝わらないように思えるからな」

管理人「そうですね。この場面での孫権さんの格好良さも文章では伝わらないと思います。

     是非漫画の方でご覧頂きたいです!興味を持たれた方は、是非!」

孫権 「赤壁開戦後も、俺の出番は少しだけあるんだよな」

管理人「あっ、はい。甘寧さん、凌統さん、呂蒙さん、徐盛さん、陳武さん等の8人を先鋒に

     加えてくれるよう周瑜さんに頼んだのですよね」

孫権 「『公瑾の推挙ならば文句もでんじゃろ』とな。確かに、あの俺が推挙したとなると

     文句も出るだろうからな(笑)」

管理人「周瑜さんは、その8人を精兵2千の将にすることについて、最初は少し疑問に思っていた

     みたいですが孫権さんの『嗅覚だけで生き抜いてきた奴らじゃ』の一言で、周瑜さんは

     曹軍との戦いに勝機…のようなものを見出したのですよ」

孫権 「勝機…は言いすぎかもしれないな。だが公瑾は蒼天の俺を『嗅覚をもって孫呉の戦場を

     駆けめぐってこられたお方!』と評し、曹操との大戦にあたって呉に足りないところは、

    蒼天の俺の嗅覚で補う…という方針を見つけ出したのだ」

管理人「軍の出帆の時の、甲冑姿の孫権さんも格好良かったですよ〜♪蒼天孫権さんの軍装は

     ここで初めて見ることができます」

孫権 「やはり文章だけでは、この漫画の面白さや格好良さは伝えきれないな。

     文章にできないような繊細な場面もあるし…蒼天の俺の活躍は是非実際に漫画を読んで

     確かめてくれ。長々と取り上げてきたが、今回はここまでだな」

管理人「はい。それでは次回をお楽しみに!」

 

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